フェスティバルホールさま

- 舞台音響システム
「継承」と「進化」をコンセプトに生まれ変わった大阪音楽文化の象徴

▲天から音が降りそそぐホール
木質系の素材をふんだんに使い、多くの音楽家、アーティストに愛された旧フェスティバルホール。――その後生まれ変わったフェスティバルホールは、「継承」と「進化」の融合で、以前にも増して豊かに響く音場を形成しています。
JATOでは、フェスティバルホールの建て替えにあたり、舞台音響設備全般を担当させていただきました。
デジタル化への対応
音響システムの構築にあたって、デジタル化への対応は欠かすことのできないものであり、当初から設計思想として考慮されていました。現在、デジタル信号が主流ですが、従来からのアナログ信号にも対応するために、光・同軸・LAN・アナログなどの全信号回線を音響調整室内の調整卓を核として、舞台袖、アンプ室、客席PA席、リハーサル室、多目的室(録音対応)間と連絡しています。

▲音響調整卓(音響調整室)
スピーカーシステムの構成

▲プロセニアムスピーカー(ラインアレイタイプ)
プロセニアムスピーカー(舞台正面上空のメインスピーカー)は、天井面の初期反射音をロスしないように、スピーカー用の開口部を設けずにラインアレイタイプを露出形式で設置しています。音楽の殿堂としての「響きを守る」思想と、スピーカーの指向特性などの能力を最大限に発揮するための最善策と考えています。
スピーカー選定試験の実施
プロセニアムスピーカーをはじめとする主要スピーカーの選定にあたって、工事段階で音響機器4社のご賛同、ご協力により、選定試聴会およびプレゼンテーションを兵庫県立芸術文化センターにおいて行いました。この試聴会は、どこのメーカー系列にも属さないJATOならではの試みだったと思います。
連絡システムの構成
スタッフ間の連絡システムとして音声モニタ、楽屋呼出放送システムやインターカム(有線およびワイヤレス)などに対応しています。日替わりでさまざまなプロダクションが出入りすることを考慮し、楽屋、ロビーまで幅広いエリアでカバーできるようになっています。
最高の音響を追求するためのさまざまなテクノロジー
竣工前に電気音響測定を実施し、すべての項目において良好な結果が得られるまで調整をおこないます。
測定項目 | |
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伝送周波数特性 | 音圧レベル分布 |
安全拡声利得 | 最大音圧レベル |
残留雑音 | STI |
また、電源計画も含めた音響システムにおけるノイズ対策に注力しています。信号線およびマイクケーブルのグランド処理における特殊結線、新規開発の2重シールドケーブルの採用などの技術を積み重ねることで、非常にノイズレベルの低い良好な結果が得られています。
JATOはこれからもメンテナンス・サポート面でフェスティバルホールのクオリティを支え続けてまいります。